ふれあいねっと 

元看護婦をもっと生かして

 

 介護保険で訪問看護を受けるケースが増えました。利用者が在宅看護・介護を安心して受けられるためには、元看護婦のマンパワーをもっと活用すべきです。

 

元看護婦たちが登録

 

 看護婦には仕事のハードさや子育てなど家庭の事情でやめていく人が多い一方、子育てが終わった後や地域での活動に、元の看護婦という資格を生かしたいと考えている人がとてもたくさんいます。

 私自身も元看護婦で、平成9年に訪問ボランティアナースの会「キャンナス」を藤沢市で立ち上げました。そのとき応えて登録してくれた元看護婦は30数名にも上りました。また平成10年には、介護保険施行を前に、有限会社ナースケアも設立し、現在、看護婦2人、ヘルパー1人、事務局2人、運転手1人、登録するナースは40数名で構成し、訪問看護、同介護、ケアプラン作成など介護保険の枠内の仕事をこなしています。利用者は昨年11月末で湘南地域のみで85名です。

 

看護婦とヘルパーの間で

 

 介護保険施行後、仕事をしていく中で感じる問題点を挙げてみます。

 点滴、吸引・注入などは医療行為であり、医師の指示により看護婦が行います。例えば注入の必要な利用者の場合、1人の看護婦が注入の接続は看護婦として行い、終わるまで見守るのはヘルパーとしての役目になります。全部看護婦として計算すると、その介護報酬は高額になり、あっという間に保険内の金額を使い果たしてしまうからです。ですから、私たちの会では例えば3時間居なくてはいけない時は、30分を看護婦として、残りはヘルパーとして計算します。利用者には、元看護婦のヘルパーということで、いざというときの安心感を与えています。

 

もっと緩やかな規制に

 

 例えば慢性疾患の方をお風呂に入れてあげたいと思います。すると看護婦として介助する場合には、医師の指示書が必要で、ヘルパーとして介助する場合には指示書は不要です。この矛盾を何とかしてほしいと思います。これからますます多くなる在宅看護の場合、看護婦の対応にある程度任せて指示書や報告書など、もっと緩やかな規制にしてほしいと思います。

 全国に約100万人もの潜在看護婦たちがいます。その人たちが地域の介護にかかわれば、介護保険の質も向上し、在宅介護も拡がります。もっと気軽に元看護婦たちが参加し、仕事をすることと、そういった組織ができることが今、求められています。